ユーアイ精機株式会社
期限付きのプロジェクトという性格上「終了の判断となる指標」が必要な訳ですが、当初予定の展示会が前倒しになったことや素材の調達が予想以上に難しかったこともあり、最終段階の進め方を修正すべく
「新たな金型製作」による精度向上が可能かを検証すべく「材料を追加入手」して期限を延長する
という線で9月中旬から水面下で調整していたのですが、諸般の事情と制約から断念せざるを得ませんでした... そこで、改めて検討した結果
現在の条件の中で、できるところまで成し遂げ、その結果を社会に問いたい
という進め方に修正決定... 最終的な社内承認を経たうえで正式な「修正計画書」を作成し所管機関に提出、併せて「クルマ未来博 2012」への出展届けも提出いたしました。
最終段階の試作品を検討する際に指標となったのが、当社サイトでも事例紹介をしている 深絞り でした。実際のマグネシウム素材に対するトライ映像は、以下からご覧になれます。
ご覧のように「理想的な形にはできなかった」というのが、製作チームの一致した所感でした... そこで、プロジェクトの最終段階では、技術的な知見を反映することもさることながら 思ったとおりに出来た という実感が得られる試作品を仕上げよう... ということとなり、過去の当社製作品から得られる技術レベルと今回入手したマグネシウム素材の特性の両面より検討、最終試作品を決定しました - それが「直角曲げ」です。
今回入手した中でも「最厚」のマグネ合金素材を用いて 室温環境下での直角曲げにトライ することにより、この素材の汎用加工性の進歩、及び産業界での活用への道筋を示ながら “愛知の金型・モノ作り” への寄与としたく、最後の試作開発に取り組むこととなりました - が、当社内に「専門の開発部門」がある訳ではないうえに、通常業務の合間を見ながらスケジュール(技術者の予定以外にも「機械を使う順番」というのも・・・)を立てて進める関係上、技術的チャレンジもさることながら「時間との戦い」でもあったのが現実です... 。
『最終報告用 展示パネル』から
最終報告の場となる11月の展示会への出展準備も “同時平行” で進めていた関係で、この「展示パネル」を製作している段階では 直角に曲がりきれていない 製作データながらも、以下の視点で「成果状況」を示しています。
・最終段階で取り組んだ課題を例示
・具体的な検証ポイントを例示
・プロジェクトの「最終ステップ」を示す
しかしながら、製作チームがギリギリのラインまで詰め寄る努力を続けた結果、最終的には 思う形 の試作品を展示会で問うことができました... その内容は以下に!
「クルマ未来博 2012」は、次世代自動車をテーマとして「最新動向を紹介する講演会、実車の展示・走行デモ、企業商談会、さらに子ども向け体験教室などを一体的に行う」博覧会で、正式名称 “次世代自動車シンポジウム・ニューモビリティ博覧会(クルマ未来博)2012” として、愛・地球博記念公園(モリコロパーク)にて 11月16日(金)~ 18日(日) に開催されました(主催:愛知県)
マグネシウム合金は「次世代自動車の軽量化」にも寄与すると考えられており、私達プロジェクトも以前から出展を検討していた中、この最終段階になって先のような状況から正式に参加表明した訳ですが、製作チームの努力の結果、最後の最後で完成した内容を元に 『総合検証:最終報告』 としてまとめたのが右の「配布リーフレット」です... もう「展示パネル」にする時間はありませんでした!
※ 右の写真をクリックすると、PDFでご覧になれます。
なお、技術的な詳細についてお知りになりたい場合は、当社に直接ご連絡・お問合せ下さりたくお願いいたします。
私達の取組みの 成果総括 を少しでも多くの人の目に留めて頂きたく、また同時に3日間という 長期間の出展 を有効に活用する点も考慮して、コンセプト的には Catch and Welcome 「パッと目を引き、興味を抱いた方には、じっくりとお話ができる」 ような展示ブースを企画しました。
そうは言っても、完全なデザイン装飾も無理ですから、来場された方を気持ち良く歓迎できるよう清楚な装飾を心がけてみました。
展示物としては「最終成果 試作品」がメインになる訳ですが、しかしながらプロジェクトの性格からは 成果に至る過程と紆余曲折 こそが重要であると考え、過去の製作品から失敗を経てきた過程も(正直に?)展示をさせて頂きました。
おかげさまで、私達の意図をご理解頂けたのか、多くの皆様が「失敗と成功の関係」「ヒントを得たきっかけ」「工夫した点」等への説明に対して興味深く耳を傾けて下さいました。
また、当社にとっての もう一つのチャレンジ が「社長のプレゼンテーション」でした... お恥ずかしながら、このような機会が今までに無かったこともあり「初めての試み」になった訳ですが、各所よりサポートを頂いたお陰で、何とかこの大任を果たすことができました。
プレゼンテーション抜粋資料は PDFアイコン をクリックしてご覧頂けます。
秋の週末休日を含んだ日程でのイベントでしたが、最終的には 40社近くの関連産業界の皆さま とお話をさせて頂いたうえ、貴重な情報や示唆を得ることができました。
この場を借りまして、ご来場の皆さまには改めて厚くお礼を申し上げます。
このサイトや出展を通じてご紹介してきた当プロジェクトも、2012年末をもって「第一期 終了」という形になります。これまでご協力を仰いだ関係の皆様に厚くお礼を申し上げますと共に、今後の進め方については、技術面から次の開発展開を始める前に本年の成果内容を改めて見直しつつ さらに広範な範囲を視野に入れて、情報公開(紹介)を試みたい という気持ちを持っています。
新たな取組みを開始しました暁には、また “このようなサイト” を通じてご報告をさせて頂きたいと思いますが、その時に向けて今後とも ユーアイ精機を よろしくお願いいたします。
◆ 自動車産業の「参考となる事例」 に、当社プロジェクトがピックアップ!
昨年、当社が出展した “クルマ未来博 2012” のサイト(終了・開催報告)で
自動車産業の「参考となる事例の紹介」 に 当社が紹介されました。
◆ 日本マグネシウム協会 で、プロジェクトの講演をさせて頂きました。
3月11日(月)に 日本マグネシウム協会(東京) の会合にて、当社社長が 昨年のプロジェクト 「マグネシウム合金 MgRD」のプレゼンテーションをいたしました。
from ; 水野 【総合:社長】
開始前に得ていた情報やデータ以上に「困難」だった... というのが実感です。素材の加工性もさることながら、何と言っても材料入手に思いのほか手間取りました。製作面では、チームが一体となって技術的なアイディアや工夫を施してくれたおかげで「当初にイメージしていた成果」の一端には何とか達することができましたが、他方で材料メーカーさんや研究所の皆様のご協力無しでは無理だったのも事実です - 改めて関係者の皆様に御礼を申し上げます。
また、展示会への出展も当社では初めての試みでしたが、たいへん多くの方面から反響を得ることができました。社外への広報活動を通じて。プロジェクトの「社会・産業への貢献面」も直接に実感することができたのは、私達・中小企業にとっては大変に良い経験だったと感じています。
from ; Aoki企画 【企画支援】
単なる技術成果のみならず「挑戦する中小企業の姿勢」に焦点を当てた表現を心がけてきたつもりですが、企画のアウトプットを通じて皆様に伝わっていれば幸いです。同時に、私自身もこの大切な企業使命についてPJを通じて学ばせて頂きましたことに感謝しています。今後益々のご発展を祈念しています。