ユーアイ精機株式会社
次世代自動車軽量化に向け注目を集める「異種金属の接合技術」。当社では、産学官連携を通じて 異種金属(アルミ+鉄、等)を塑性加工で接合する技術開発を進めています。
ここ数年に渡って 当該研究に必要な情報収集を含めながら関係者との打合せ・準備を進めて来た結果、当年度から「本格的な研究」として情報公開をスタートさせています。
I. 事前トライ
II. 本格トライ
Ⅲ. 測定・検証、技術理論の確立、応用性の想定
Ⅳ. 情報公開
事前調整を経て、協力先の研究機関及び設備メーカー様に立会頂き、最初のトライ加工を行いました。
この時は「研究環境の実地確認・検証」が目的だったため条件設定等は緩やかな状態で進めましたが、結果については前向きな感触が得られました。
使用したプレス設備は最新のものですが、汎用加工を目指している点なども含め設備メーカーさんと直接にお話出来たのも、貴重な経験になりました。
成功例です。鉄とアルミの板が、中央の小さな窪み穴を介して接合しています。
この手法は、石川教授が各大学で長年の研究を通じて得た知識理論に、当社が持つ加工技術を加味し実装した「塑性加工の接合」で、金属表面の酸化被膜を破壊し圧力を加えることで固相接合している、と考えられています。
◆ 加工中の映像(※視聴しやすい様に編集しています)
◆ 加工技術の説明 (※資料提供;石川教授)
※ 接合の模式図
固相接合のメカニズムを模式図に表しています。
母材が加圧され塑性変形を始めると、表面の展伸に伴い硬く脆い酸化被膜に割れが生じ「活性な新生面」が露出します。更に加圧と変形が進むと、破壊された酸化被膜の隙間を通して新生面が押し出され「新生面同士が結合」すると考えられています。
※ 加工の模式図
◆ 分析・検証 (※画像資料;あいち産業科学技術総合センター)
※ 加工面の拡大画像: SEM-EDS
2次電子画像による分析では、界面が研磨によってAl側で選択的に彫り込まれた様になっていましたが、何らかの組織変化が生じたことが推察されました(例:特徴的な元素の偏析、結晶粒の微細化など)。
SEM-EDS の分解能・感度では、界面付近に特徴的な元素を見出すことは困難でしたが「TEMで詳細に調べてみる価値」があるのではないか、という結論に至りました。
この結果を元に、次のステップへ進められるよう計画を調整中です。
(2018年11月)
◆ 最新情報! ~ 2018年12月
TEM分解能での観察・分析を行いました! 画像だけですが掲載いたします(※結果は確認中)。
※ Fe-Alライン
※ Fe-Al_BF5
※ Fe-Al_BF7
※ Cu-Alライン
◆ 人とクルマのテクノロジー展 [2018年7月:ポートメッセなごや]
先回はマグネシウム合金のプレス技術でしたが、本年は「異種金属接合」をテーマに応募し、二年連続で「企画展示」に選出される栄に恵まれました。
本コーナーは「モノづくりニッポン、未来を拓く"知恵・技・匠"」をテーマとした技術紹介で、会期中も過去に例を見ないほど多くの方が当社のブースを訪問頂き、この技術の関心の高さに私たち自身も驚かされた次第です。
◆ オートモーティブ ワールド 2019 [2019年1月16~18日:東京ビッグサイト]
※ 写真は先回(2018年1月)のもの
こちらも先回に引き続き、愛知県の共同ブースへ出展させて頂くこととなりました。最新データの提供等も可能な限り行いますので、是非お越しください!
開発成果、及び今後の事業展開を含め 異種金属接合の取り組みに関心のある 製品開発メーカー様 がございましたら、当社または貴社にてプレゼンテーションを行わせて頂きますので、お気軽にお問合せください。なお、情報収集のみを目的としたお問合せには対応いたしかねますので、予めご了承ください。
[ 2018.12月 ] NEW!
本サイトを公開しました。
本研究では、共同研究先との守秘義務等を踏まえ、詳細の随時公開(Webによる同時発信)は差し控えていましたが、このたび「補助金関連 報告書」を提出させて頂きました事から、概要について公開させて頂く運びとなりました。
事業推進においてご尽力を頂きました関係各社及び研究・指導者の皆様には改めて厚くお礼を申し上げたく存じます。